「毒親」という言葉
日本では「毒親」という言葉が浸透し、それによって自分の苦しさを理解できたり、救われた方も多いと思います。
その一方で、
「私は毒親育ちではないから、アダルトチルドレンには該当しない」
と考える方も増えたように感じます。
でも、厳密には、毒親育ち=アダルトチルドレンではありません。
「毒親」は、英語の toxic parent(s) という表現がもとになっています。
この言葉を広く知らしめたのは、アメリカの心理学者スーザン・フォワードです。
Toxic Parents は、日本語では「毒になる親」と訳され、そこから「毒親」という言葉が広まっていきました。
ただ、「毒親」という言葉は「毒」という漢字のインパクトが強く、親そのものを悪者や加害者として捉えるニュアンスが、英語の toxic より強くなったように思います。
もちろん、親から受けた傷を「なかったこと」にする必要はありません。
けれど、アダルトチルドレンとは、必ずしも「毒親に育てられた人」のことではありません。
一般的には、機能不全家族の中で育ち、その影響によって大人になっても生きづらさを抱えている人を指す言葉として使われています。
なので、毒親でなくてもアダルトチルドレンとしての生きづらさを抱えることはあります。
親が愛情を持って育てていたとしても、親子の間にボタンのかけ違いのようなことが起こり、子どもが傷ついたまま大人になることもあります。
そして、回復とは、必ずしも親を「加害者」にして糾弾することではありません。
親への怒りや悲しみを認め、吐き出すことも大切です。
そのうえで、親子関係の中で足りなかったものを、今の自分が自分に与えていく。
親を変えるのではなく、自分の人生を自分のものとして取り戻していく。
私は、それがアダルトチルドレンからの回復なのだと思います。
窪田佳美