アドバイスの有効性
私たちは、誰かが困っていると、
良かれと思ってアドバイスをしようとします。
しかし、アドバイスは、
有効でない場合もあります。
例えば、行動を変えることが難しいASDの方たちにとって、アドバイスは混乱の原因になることがありますし、
辛い過去を生き抜いた方や、今まさに辛い状況にいる方にとって、アドバイスは苦痛の原因となってしまうこともあります。
ちなみに、カウンセリングの中では積極的にアドバイスを行いません。
アドバイスをしても、
その通りにする人は少ない。
アドバイスでその通りにする人がいたとしたら、
その人はもともとそうするつもりだった人。
これは、カウンセリングの第一人者、河合隼雄さんの言葉です。
きっと、私たちが精一杯生きている中でたどり着いた答えは、誰かのアドバイスで簡単に変えられるものではないし、
たとえ、アドバイスが有効であっても、それが心の中に種子のように蒔かれ、発芽して花が咲くのには時間がかかってしまうのでしょう。
なので、私たちがアドバイスをする場合、
相手の状況を聞かずにアドバイスをしたり、
何度もアドバイスを繰り返したり、
アドバイスで行動が変わらないことを責めたりするのは避けた方がよいのかもしれませんね。
窪田佳美